◎火災はナイトクラブの1つで発生。その後、近隣のナイトクラブ2軒に燃え広がり、3軒とも全焼した。
スペイン南東部ムルシア州のナイトクラブで1日に発生した火災について、警察当局は2日、当時クラブ内にいたとみられる2人の行方が分かっておらず、捜索活動を続けていると報告した。
火災は州都ムルシアの繁華街にあるナイトクラブで1日の現地時間午前6時頃に発生。出火原因は明らかになっておらず、消防と警察が調査している。
消防はこれまでに13人の死亡を確認。身元は明らかにされていないが、スペイン人以外にコロンビア、エクアドル、ニカラグアの市民が巻き込まれたと伝えられている。
消防によると、火災はナイトクラブの1つで発生。その後、近隣のナイトクラブ2軒に燃え広がり、3軒とも全焼した。
州警察は声明で、「3軒のうち2軒が無許可で営業していた」と発表。スペイン国営テレビは関係者の話しとして、「クラブの関係者数人が警察の事情聴取を受けている」と報じた。
ムルシア州政府の担当官によると、2人を除く行方不明者全員の所在が確認されたという。出火時、クラブ内に何人いたかは不明である。
国営テレビによると、ナイトクラブで発生した火災としては1990年にサラゴサで起きた火災(死者43人)に次ぐ犠牲者の数となった。
消防と警察による現場検証は倒壊の恐れがあるため難航している。
国営テレビによると、13人の遺体は最初に火災が発生したナイトクラブ内で発見されたという。煙を吸うなどして24人が負傷したものの、命に別条はなかった。
国営テレビは州当局者の話しとして、「3軒のうち2軒が許可届を更新せず、昨年、閉鎖を命じられたが、その後も営業を続けていたとみられる」と伝えている。
これについて、クラブの代表は国営テレビの取材に対し、「営業許可を得ていなかったという報道は誤りであり、当局の許可を得て合法的に営業していた」と語った。
ムルシア市議会は犠牲者に哀悼の意を表し、3日間喪に服すと宣言。公共施設に半旗を掲げるよう要請し、2日正午には市庁舎で1分間の黙とうを捧げた。