◎イエメン内戦は世界最悪と呼ばれる人道危機を引き起こした。死者数は15~16万人と推定され、数百万人の子供を含む1000~2000万人が飢餓に直面している。
バーレーン軍参謀本部は25日、イエメンとサウジアラビアの国境をパトロールしていた同国の部隊がシーア派武装勢力フーシのドローン攻撃を受け、将校1人と兵士1人が死亡したと発表した。
バーレーンの国営テレビは軍報道官の声明を引用し、「フーシ派による25日早朝のドローン空爆で多数の兵士が負傷した」と伝えている。
バーレーンはサウジの同盟国であり、イエメン内戦でフーシ派と戦争状態にある。
サウジとフーシ派の交渉により戦闘はほぼ収まり、歴史的な和平合意が近づいているように見える中、バーレーン軍が攻撃を受けたとみられる。
サウジとフーシ派を支援するイランは今年初め、中国の仲介で国交を回復。イエメン内戦終結に向けた機運がさらに高まった。
バーレーン軍参謀本部は声明で、「このテロ攻撃はフーシ派によるものであり、イエメンにおける紛争当事者間の軍事作戦が停止しているにもかかわらず、テロリストはサウジ国境近くのバーレーン軍部隊を空爆した」と述べている。
イエメン内戦は世界最悪と呼ばれる人道危機を引き起こした。死者数は15~16万人と推定され、数百万人の子供を含む1000~2000万人が飢餓に直面している。
フーシ派は2014年に首都サヌアを掌握し、当時の政権を国外に追いやった。
サウジ率いる連合軍は翌年介入。国連の承認を受ける政権の復帰を目指し、フーシ派への攻撃を開始した。
サウジとフーシ派の高官はこの数カ月、交渉による紛争の解決を目指し、協議を重ねてきた。
国連が仲介した停戦協定は1年近く前に失効したものの、戦闘はほぼ収まったとされる。しかし、一部のオブザーバーはいつ戦闘が再燃してもおかしくないと警告してきた。
サウジ政府は今月初め、フーシ派の高官を首都リヤドに招き、和平に向けた交渉が順調に進んでいるとアピールしていた。