◎タリバンの復権から2年、自由を含むあらゆるレベルの権利が破壊され、アフガンの基本的人権は崩壊状態にある。
2021年3月27日/アフガニスタン、首都カブールの中等学校(Rahmat Gul/AP通信)

国連人権理事会は12日、アフガニスタンを統治するタリバンが市民の基本的人権を組織的に破壊し、計り知れないほど残酷な弾圧を繰り広げていると非難した。

ターク(Volker Turk)高等弁務官は12日に公表した報告書の中で、「タリバンの復権から2年、自由を含むあらゆるレベルの権利が破壊され、アフガンの基本的人権は崩壊状態にある」と指摘した。

またターク氏は国連加盟国に対し、「この崩壊と空白を埋めるための支援が必要」と訴えた。

ターク氏はこう報告している。
▽アフガンの女性と女児に対する衝撃的なレベルの抑圧は計り知れないほど残酷。
▽アフガンは女児の中等・高等教育を禁じる世界で唯一の国となり、壊滅的な前例を作ってしまった。

2021年8月15日に政権を掌握したタリバンは1990年代の旧政権時代より穏健な統治を約束するも、米軍とNATO軍が20年に及ぶ戦争の末に撤退すると、女性の基本的人権を破壊。国際社会の怒りを招いた。

ターク氏によると、タリバンは小学6年生以上の教育、就労の機会、公共の場から女性・少女を排除し、さらにヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を着用しなかった女性に嫌がらせをしたり、殴ったりしているという。

またターク氏は、「女性が弁護士や裁判官として働くことができなくなった結果、女性・女児は司法に訴えることがより一層難しくなった」としている。

タリバンの戒律は国際的な反発を招いている。しかし、最高指導者アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師を含む政府高官は西側の非難を内政干渉と呼び、イスラムの教えに逆らうことはできないと主張している。

タリバンはこの国連報告書に関するコメントを出していない。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク