◎400万人以上が国内避難民となり、さらに少なくとも110万人が近隣のエジプトやチャドなどに逃れた。
2023年5月19日/スーダン、首都ハルツーム(Getty Images/AFP通信)

国際移住機関(IOM)は6日、内戦下のスーダンで戦闘が激化し、この5カ月で500万人以上が国内の安全な地域もしくは国外への避難を余儀なくされたと発表した。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジアラビアと米国が仲介した最新の停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。

IOMによると、400万人以上が国内避難民となり、さらに少なくとも110万人が近隣のエジプトやチャドなどに逃れたという。

一方、米政府は6日、RSFを率いるダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官とその弟を制裁リスト(米国内に保有する資産の凍結など)に追加すると発表した。

米政府は6月にも軍政およびRSFとつながりのある4企業に制裁を科している。

米国務省は同日、スーダンの人道危機に対応するため、1億6300万ドルを拠出すると発表した。同省は声明の中で、「スーダンを含む、この紛争の影響を受けた近隣諸国の難民を支援するために、計7億1000万ドルを拠出することになる」と述べている。

国際社会による調停は今のところ失敗に終わっている。紛争勃発以来、少なくとも9回停戦合意が結ばれたものの、全て決裂している。

一部の人権団体は「米国のように紛争当時者に制裁を科すべき」と国際社会に呼びかけている。

2000年代初頭に大量虐殺が行われた西部ダルフール地方では紛争が民族間の暴力に変質し、RSFやアラブ系民兵がアフリカ系部族を攻撃している可能性がある。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは先月、紛争当事者が西部ダルフール地方を含む全国各地で戦争犯罪を犯していると非難した。

国連ジェノサイド防止特別顧問も6日、「スーダン各地でアイデンティティに基づく虐殺や攻撃が相次いでいる」と深刻な懸念を表明した。

2019年に失脚した独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系武装民兵をダルフールに送り込んだと告発されている。

国連はダルフール紛争でアラブ系とアフリカ系部族、最大30万人が死亡し、270万人が故郷を追われたと推定している。

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