◎あるデモ参加者は「フランス軍よ、ニジェールから出ていけ!我が国に必要なものはロシア軍だ」と書かれた横断幕を掲げた。
西アフリカ・ニジェールの首都ニアメで駐仏軍と駐仏大使の国外追放を求めるデモが行われ、数千人が参加した。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラが2日に報じた。
軍政を支持するデモ隊は仏軍が駐留する基地周辺などを行進し、ニジェールとロシアの国旗を掲げてシュプレヒコールを上げた。
あるデモ参加者は「フランス軍よ、ニジェールから出ていけ!我が国に必要なものはロシア軍だ」と書かれた横断幕を掲げた。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
この地域の旧宗主国であるフランスやその他の欧米諸国はクーデターに深刻な懸念を表明。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はバズム氏の即時解放と憲法秩序の回復を軍政に求め、応じない場合は軍事介入も辞さないと警告している。
デモ隊はマクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が分断を煽り、ニジェールを再び植民地にしようとしていると主張した。
マクロン氏はバズム氏への連帯を表明。軍政に国外退去を命じられた駐仏大使は出国期限の48時間が切れた後もニアメの大使館にとどまっている。
アルジャジーラは目撃者の話しとして、「一部のデモ参加者が駐仏軍基地に接近し、敷地に押し入ろうとした」と伝えている。
ニジェール軍はその後、駐仏軍基地での暴動を避けるために増援を派遣し、警備を強化したようだ。アルジャジーラによると、デモは比較的穏やかに進み、逮捕者や負傷者は確認されていないという。
軍政は西・中央アフリカで拡大する反フランス感情を利用して国民の支持を集めようとしている。