◎中央政府は航空各社にピカピカのフェリペ・アンヘレス国際空港を利用させたいと考えているようだ。
メキシコ政府は8月31日、首都メキシコシティのベニート・フアレス国際空港(メキシコ市国際空港、AICM)に便数を減らすよう命じたと明らかにした。
それによると、AICMは10月29日までに1時間当たりの便数を52便から43便に減らす予定。同空港はすでに設計上の理由で1時間あたりの便数を61便から52便に減らしていた。
AICMは一部のエリアが冠水しやすかったり、下水の臭いがするなど、メンテナンス上の問題を抱えている。
全国航空輸送会議所(CANAERO)は声明で、「この減便は乗客、航空各社、業界関係者に大打撃を与える」と批判し、オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領に再考を求めた。
またCANAEROは、「中央政府はAICMが生み出した収益をインフラに投資せず、問題を顕在化させた」と批判した。
オブラドール氏は2018年末に就任すると、前任者が手掛けていたACIMの大型ターミナル建設プロジェクトを中止し、代わりに陸軍基地内にフェリペ・アンヘレス国際空港(AIFA)を建設した。
しかし、AIFAは利便性が悪く、航空各社が乗り換えを嫌がり、市民から猛批判を浴びた。
オブラドール氏はAIFAの建設に予算を計上せず、投資家への返済にはAICMの収益を充てている。
中央政府は航空各社にピカピカのAIFAを利用させたいと考えているようだ。