◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2023年8月25日/ハイチ、首都ポルトープランス、ギャングの暴力に抗議する女性(Odelyn Joseph/AP通信)

国連は8月31日、中米ハイチでギャングの暴力が急拡大し、4~6月の間に確認できているだけで市民1860人が死傷または誘拐されたと明らかにした。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは半年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

国連のハイチ事務所(BINUH)が公表したレポートによると、ギャングの暴力はポルトープランスとその周辺地域に集中し、300人近くがスラム街で狙撃され死亡したという。

在ハイチ・米国大使館は今週、治安が急速に悪化しているとして、自国民にできるだけ早く出国するよう呼びかけた。

BINUHによると、警察官13人とギャング460人以上が4~6月の間に殺害され、その大半が集団リンチによるものだったという。

この期間に誘拐された市民は約300人で、前四半期に比べて24%減少した。誘拐事件のほぼ半数がギャングの支配下に置かれているポルトープランス北部のスラム街で発生したとされる。

アンリ(Ariel Henry)首相は国連安全保障理事会にPKOの派遣を要請しており、ケニアが主導する準備を進めている。

国連とアンリ氏は米国・カナダが主導するPKOの派遣を繰り返し要請していた。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク