◎管制官の月間労働時間は約300時間に達し、そのほとんどが50歳以上である。
レバノン、首都ベイルートのラフィク・ハリリ国際空港(Getty Images)

レバノン・ベイルートのラフィク・ハリリ国際空港の管制官が人手不足を理由にストライキを行う予定だ。現地メディアが24日に報じた。

それによると、同空港に勤務する管制官13人は来月5日から夜間業務を放棄する予定。

同空港で働く管制官は87人と伝えられているが、詳細は不明だ。

レバノンは近代史上最悪と呼ばれる経済危機の真っただ中にあり、通貨はこの数年で紙くずになり、目を覆いたくようなインフレに直面。人口の4分の3以上が極度の貧困に陥っている。

中央政府は公務員への賃金支払いに苦労し、交通機関を含む公共部門の運用状況は日を追うごとに悪化している。

同国を統治するイスラム教シーア派組織ヒズボラの数十年にわたる不始末がこの危機の根底にある。

ラフィク・ハリリ国際空港は観光の繁忙期に停電・人手不足・ストに直面している。

ストは9月5日にスタートする予定だ。管制官13人は午後8時~午前7時までの間、勤務しない。

EUは先週、ラフィク・ハリリ国際空港の問題点についてまとめた報告書を公表。管制官不足を含む複数の問題が同空港の安全運航に深刻な影響を与えていると指摘した。

それによると、管制官らはこの問題を解決するために海外の専門家などを招くよう経営陣に繰り返し提案してきたという。

管制官の月間労働時間は約300時間に達し、そのほとんどが50歳以上である。

中央政府はEUの報告書に関するコメントを出していない。同空港の人手不足はコロナパンデミック時の規制や賃金未払いなど、複数の問題が引き起こしたものとされる。

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