◎ヨルダン川西岸における暴力事件はこの1年で急増し、一向に収まる気配を見せない。
イスラエル軍がヨルダン川西岸地区における取り締まり中に18歳のパレスチナ人男性を射殺した。地元当局が4日、明らかにした。
それによると、事件はヨルダン川西岸の北部に位置するパレスチナ人居住区で発生。イスラエル軍はこの地域に拠点を置くとされる武装勢力に催涙ガス、スタングレネード、実弾を撃ちこみ、パレスチナ人は石、火炎瓶、爆発物を投げ返して応戦した。
パレスチナ保健省は声明で、「少年はイスラエル兵に頭を撃ち抜かれ、その場で死亡が確認された」と述べている。
ヨルダン川西岸地区北部では武装勢力によるユダヤ人入植者への発砲やトラブルが相次ぎ、イスラエル軍による取り締まりが強化されていた。
パレスチナのメディアは4日の取り締まりで指名手配犯3人が逮捕されたと報じている。
イスラエル軍は別の集落でも村人5人を逮捕。爆発物を押収したと報告した。
ヨルダン川西岸における暴力事件はこの1年で急増し、一向に収まる気配を見せない。
西岸地区と東エルサレムで今年イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は160人を超えた。パレスチナ人の攻撃で今年死亡したイスラエル市民は27人となっている。
イスラエル軍は殺害した者の大半が武装勢力の構成員であると報告しているが、複数の人権団体は投石に参加しただけの非武装の若者、ジャーナリスト、傍観者も殺害されたと非難している。