◎犯行声明は出ておらず、当局が捜査を進めている。
パキスタン北西部バジュール地区の政治集会で爆弾が爆発し、少なくとも44人が死亡、200人近くが負傷した。地元警察が30日、明らかにした。
バジュール地区は部族地域のひとつであり、アフガニスタン国境に近く、TTP(パキスタンのタリバン運動)の拠点があったことで知られている。
警察によると、爆弾は市中心部にあるホールで爆発したという。党首は参加しておらず、党関係者が演説を行っていたようだ。
AP通信は警察筋の話しとして、「犯行声明は出ておらず、当局が捜査を進めている」と伝えている。
会場には多くの支持者が集まり、警察と党の職員が群衆の統制に当たっていた。
爆弾は30日の現地時間午後4時頃に爆発した。手足を負傷した男性はAPに、「気づいた時には地面にうずくまっていた」と語った。「耳がほとんど聞こえず、何とか立ち上がり、ようやく手足を負傷していることに気づきました...」
一方、APはTTP報道官の声明を引用し、「この非道な爆弾テロはイスラム教徒同士を対立させることを目的としている」と伝えている。
アフガニスタンを統治するタリバンのムジャヒド(Zabiullah Mujahid)報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。この爆弾テロを厳しく非難した。
パキスタン北西部のアフガン国境付近ではテロ攻撃が相次いでおり、その多くにTTPが関与している。
カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワルのモスクで今年1月に発生した爆弾テロでは74人が死亡。その翌月にはペシャワルの警察本部で爆弾が爆発し、警察官らを中心に100人以上が死亡した。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相はこのテロを非難し、負傷者と遺族に可能な限りの支援を提供すると約束した。
またシャリフ氏はテロに関与した者をひとり残らず捕らえるよう関係閣僚に命じた。