◎この司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
2023年7月29日/イスラエル、首都テルアビブ、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモ(ロイター通信)

イスラエルの各都市で29日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモや集会が開かれ、数万人がシュプレヒコールを上げた。

このデモは昨年末から始まり、30週目に突入。その勢いはネタニヤフ政権が法案の採決に踏み切ったことで勢いを増しているように見える。

首都テルアビブのデモ隊は国旗を掲げ、太鼓を打ち鳴らしてネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に抗議した。

国会(一院制、定数120)は今週、ネタニヤフ政権が推し進める司法制度改革案を賛成多数で可決野党議員は採決をボイコットし、ネタニヤフ氏を「恥知らず」「独裁者」と断じた。

抗議デモに関与する政治監視団体は司法を弱体化させる法案の破棄を目指し、最高裁に訴状を提出。最高裁は9月に口頭弁論を行うとしている。

現地メディアによると、29日の抗議デモはテルアビブやエルサレムなど、150の都市・町・村で行われたという。

テルアビブの参加者は今週初めに比べると少なかったが、それでも数万人と見積もられている。AP通信の取材に応じた男性は「三権分立を破壊する法案が消え去るまで抗議し続ける」と語った。

この司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。

その中には▽立法と司法の権力バランスを形成する法律の大幅な見直し▽司法長官の役割の分割▽立法の決定に対する司法の権限の見直しなどが含まれている。

さらに、最高裁長官を含む判事を任命する委員会の運営方法が見なされることで、政府はより政府寄りの判事を任命できるようになる。ネタニヤフ氏はより友好的な判事を任命することで、体よく司法を弱体化させたいようだ。

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