◎西岸地区におけるイスラエル人とパレスチナ人の暴力はこの1年で急増し、一向に収まる気配を見せない。
イスラエル軍がヨルダン川西岸地区のナブルスで暴走車に発砲し、乗車していたパレスチナ人1人が死亡、もう1人が負傷した。地元当局が22日、明らかにした。
それによると、事件は21日深夜に発生。車がイスラエル軍の検問所に突っ込んできたため、兵士が発砲・制圧したという。
パレスチナ保健省は18歳の男性が死亡したと報告。パレスチナのメディアは遺族の話しとして、「車は暴走しておらず、普通の速度で走行していた」と伝えている。
現場で対応に当たったパレスチナの当局者はAP通信の取材に対し、「車体には50以上の弾痕があり、車内は血の海だった」と語った。
銃撃音を聞いて現場に向かったという男性はAPに「イスラエル兵は道路をふさぎ、パレスチナ人が運転する車を待ち構えていた」と述べた。
この銃撃事件が発生する数時間前には、西岸地区の別の場所で17歳のパレスチナ人がイスラエル兵に射殺された。この少年はユダヤ人の入植に反対する抗議デモに参加していたと伝えられている。
西岸地区におけるイスラエル人とパレスチナ人の暴力はこの1年で急増し、一向に収まる気配を見せない。
西岸地区と東エルサレムで今年イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は約160人。パレスチナ人の攻撃で今年死亡したイスラエル市民は27人となっている。