◎イスラエル軍はユダヤ人入植者の暴力に抗議する地元住民に実弾、催涙ガス弾、スタングレネードを撃ち込んだ
イスラエル軍がヨルダン川西岸地区で17歳のパレスチナ人男性を射殺した。パレスチナ自治政府が21日、明らかにした。
それによると、少年はラマラ北部の抗議デモに参加した際、頭を撃たれたという。ラマラは数週間前からユダヤ人入植者による攻撃の標的になっていた。
パレスチナ通信(WAFA)は当局者の話として、「イスラエル軍はユダヤ人入植者の暴力に抗議する地元住民に実弾、催涙ガス弾、スタングレネードを撃ち込んだ」と伝えている。
それによると、少なくとももう1人が胸を撃たれ、市内の病院に搬送されたという。
イスラエル軍は21日、「覆面をした男たちが陸軍兵士に石を投げつけたため応戦した」と声明を出したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
AP通信によると、西岸地区へブロンの北に位置する集落でもパレスチナ人とユダヤ人入植者が衝突したという。
対応に当たった陸軍兵士はパレスチナ人から石を投げつけられたため、実弾を使用。兵士3人が軽傷を負ったとされるが、パレスチナ側で死傷者が出たかどうかは不明である。
この地域では今月初めにも乱闘が発生し、パレスチナ人の男性がイスラエル軍に胸を撃たれ死亡している。
西岸地区におけるイスラエルとパレスチナの暴力はこの1年で急増。イスラエル軍は昨年初めに多くの自国民がパレスチナ武装勢力の攻撃にさらされたことを受け、取り締まりを強化した。
西岸地区と東エルサレムで今年イスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は約160人。パレスチナ人の攻撃で今年死亡したイスラエル市民は27人となっている。