◎同国南部では武装勢力「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が活動している。
イエメンで活動する世界食糧計画(WFP)の男性職員が何者かに殺害された。地元当局が21日、明らかにした。
犯行声明を出した武装勢力は今のところ確認されていない。
WFPは21日付けの声明で、南西部の都市タイズの事務所長に就任した男性職員がイエメンに到着してまもなく、武装勢力に銃撃されたと明らかにした。
地元の治安当局によると、この男性はバイクに乗った2人組に撃たれたという。それ以上の情報はない。
同国南部では武装勢力「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が活動している。このテロ組織は国際テロ組織アルカイダの中で最も危険な派閥のひとつと考えられている。
首都サヌアを含む同国の大部分を実行支配するシーア派武装勢力フーシは21日遅くに声明を発表。WFP職員への攻撃を強く非難した。
国連の支援を受ける中央政府も非難声明を出したが、事件の詳細には言及しなかった。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
タイズは2016年以来、フーシ派の支配下に置かれている。国連によると、フーシ派はタイズへの人や物資の流れを著しく制限しているため、食料、医薬品、その他の日用品が不足しているという。
AP通信は中央政府高官の話として、「治安部隊が容疑者を追跡している」と報じた。