◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダンとチャドの国境付近にある難民キャンプ(Denis Sassou Gueipeur/AFP通信/Getty Images)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は10日、スーダンで進行中の内戦が激化し、多くの市民が苦難に直面していると警告した。

OCHAのグリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)はAP通信の取材に対し、「スーダンは最も残忍なレベルの内戦状態にあり、停戦に向けた新たな協議の場を必要としている」と語った。

スーダンの隣国エチオピアでは10日、この問題について協議する会合が開かれ、グリフィス氏も出席した。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジと米国が仲介する最新の停戦合意は先月失効し、多くの地域で空爆や銃撃戦が続いている。

グリフィス氏はサウジ・米国仲介の交渉が決裂したことについて、さらなる協議の場が必要と訴えた。

エジプト政府は13日に地域の指導者を招き、新たな協議の場を設ける予定である。

グリフィス氏はAPに、「人道支援を運んだり、市民を避難させるような停戦を速やかに確立する必要がある」と述べ、戦闘が都市部から郊外に広がると対応が難しくなると警告した。

またグリフィス氏はスーダンについて、「平時であっても、世界で最もアクセスしにくい国のひとつであるため、戦闘エリアの拡大は壊滅的な人道危機を引き起こす可能性がある」と指摘した。

そして、サウジと米国が仲介した交渉については、「枠組みを組み立てなおす必要がある」とし、「非常にぎこちなく、時間のかかるものだった」と批判する一方、人道支援を送るという面に関しては一定の成果がみられたと評価した。

軍とRSFは少なくとも10回、停戦に合意したが、すべて失敗に終わっている。サウジと米国は交渉を打ち切るにあたり、「両軍は合意をまったく尊重していない」と非難した。

人権団体や国連などによると、一連の戦闘で死亡した民間人は3000人以上、負傷者は6000人以上と推定され、300万人近くが国内の比較的安全な地域または国外に逃亡した。正確な死傷者数は不明であり、これよりはるかに多い可能性がある。

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