◎レンタカーでパリ郊外のナンテールを走行していた17歳のナエル・Mさんは6月27日、停止命令を無視し、警察官に射殺された。
フランス・パリ郊外のナンテールで17歳の少年が警察官に射殺された事件に抗議するデモがカリブ海諸国に拡大した。現地メディアが1日に報じた。
仏領ギアナの警察によると、6月29日深夜に首都カイエンヌでこの事件に抗議するデモが暴動に発展。54歳の政府職員が流れ弾に当たり死亡したという。
暴動はカイエンヌのいくつかの地区で発生し、機動隊と暴徒が衝突した。当局はデモ参加者に武器を置くよう求めている。
国家警察の報道官は6月30日の記者会見で、「死亡した職員は自宅のバルコニーで被弾した」と述べ、暴力を非難した。
中央政府は1日、カイエンヌの企業や公共交通機関に職員の安全を最優先するよう求めた。市内の企業と公共交通機関は暴動が終息するまで閉鎖され、夜間のガソリン販売・輸送も禁じられた。
警察は暴動が発生した地区に要員を300人程度派遣し、ヘリ部隊も投入するとしている。
警察によると、これまでに未成年5人を含む少なくとも6人が逮捕されたという。政府職員が死亡した事件で逮捕された者はいない。
仏領マルティニーク島とグアドループ島でも暴動が報告されたが、死傷者は出ていないようだ。
デモに参加したカリブ海の住民たちは仏警察の暴力だけでなく、植民地支配にも抗議しているように見える。
インド洋のレユニオン島など、他の仏海外領土でも暴動が発生した。暴徒たちはゴミ箱を燃やし、警察に物を投げつけ、車や建物を破壊。各地で略奪が報告された。