◎軍政とRSFは今週、イスラム教の犠牲祭イード・アル・アドハ(6.27~7.1)を記念して別々に休戦を宣言した。
2023年4月30日/ソマリア、首都モガディシオの空港、エチオピア経由でスーダンから避難した人々(Farah Abdi Warsameh/AP通信)

国連は27日、軍政と準軍事組織の戦闘が続くスーダンから100万人以上の難民が国外に流出する可能性が高いと発表した。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。米国とサウジが仲介する最新の停戦合意は先週失効し、多くの地域で空爆や銃撃戦が続いている。

人権団体「スーダン医師中央委員会」や国連などによると、一連の戦闘で死亡した民間人は3000人以上と推定され、260万人近くが国内の比較的安全な地域または国外に逃亡した。正確な死傷者数は不明であり、これよりはるかに多い可能性がある。

戦闘の中心はハルツームだが、西部ダルフール地方でもRSFやアラブ系民兵による暴力が多発している。

国連はダルフールのアラブ系民兵によるアフリカ系部族への暴力が拡大し、生き延びた多くの市民が隣国チャドに避難したと報告している。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は27日、ジュネーブの記者団に対し、「当初はこの半年でチャドに10万人が避難すると見積もっていたが、その数を24万5000人に訂正する」と語った。

軍政とRSFは今週、イスラム教の犠牲祭イード・アル・アドハ(6.27~7.1)を記念して別々に休戦を宣言した。

RSFの指導者は自身のSNSアカウントに音声メッセージを投稿。「休戦は27~28日まで続く」と主張した。

軍政を率いるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍は27日遅くに放送されたテレビ演説で、「休戦は28日から始まる」と一方的に宣言した。

4月の開戦以来、少なくとも9回停戦が発効され、その全てで発効以降も戦闘が確認された。

RSFは26日遅く、RSF部隊を評価し、違反行為に関与した者を処罰する内部組織を発足させると発表した。

RSFは声明の中で、欧米諸国から戦争犯罪で非難された出来事の多くは2019年に失脚した独裁者オマル・バシル (Omar al-Bashir)の組織や、RSFの軍服に身を包んだ犯罪者によるものであると主張した。

オマル・バシルはダルフールのアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードと呼ばれる武装民兵をこの地域に送り込んだと告発されているが、バシルはこの告発を否定している。

国連はダルフール紛争の死者数を最大30万人、避難民を270万人と見積もっている。

AP通信によると、ダルフールでは軍政と同国最大の反政府武装勢力「スーダン人民解放運動・北部(SPLM-N)」による新たな戦闘が勃発したという。

この地域で活動する国連ミッションは戦闘の激化で数百人が隣国エチオピアに非難したと報告している。

スーダン南東部では昨年10月にもアラブ系とアフリカ系部族による激しい戦闘が発生し、170人以上が死亡している。

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