◎ホワイトコーンはメキシコ政府がインフレ抑制のために今年初めに関税を免除した食品のひとつである。
メキシコが24日、輸入ホワイトコーンに50%の関税を課した。これは国産トウモロコシの栽培を推進し、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを取り締まる取り組みのひとつである。
この関税は23日の官報に掲載され、年末まで維持される。
米加メキシコ自由貿易協定を結ぶ米国とカナダはGMトウモロコシをめぐるオブラドール政権の取り組みを批判し、対抗措置も辞さないとしている。
ホワイトコーンはメキシコ政府がインフレ抑制のために今年初めに関税を免除した食品のひとつである。
しかし、中央政府は官報の中で、「この免税は国内市場に大きな影響を与えなかったため、撤廃することが適切であると考えている」と表明した。
同国の先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.84%増。中央政府はインフレをコントロールしたと考えているようだ。
メキシコは主に米国と南アフリカからホワイトコーンを輸入している。
この関税は米加メキシコ自由貿易協定に反するものであり、三カ国が抱える貿易問題を複雑にする可能性がある。
メキシコはGMホワイトコーンを食用に制限し、最終的には飼料用GMトウモロコシ(イエローコーン)の輸入も禁じたいと考えているようだ。
米加はGMトウモロコシの輸入阻止がこの地域の貿易に害を及ぼすと警告している。メキシコは何年も前から米国の飼料用GMトウモロコシを輸入しており、その規模は年間30億ドルにのぼる。
米加はGMを危険視するメキシコの主張には科学的根拠がないと批判している。
カナダ政府は今月初め、メキシコが提案したGMトウモロコシの輸入制限をめぐり、この問題について協議する米国の専門家パネルに参加すると表明した。
米政府は国際貿易委員会への異議申し立ても辞さないとしている。
この専門家パネルは半年ほどかけてこの問題を調査し、結果を公表する予定だ。メキシコが協定に違反していると認定された場合、制裁が科される可能性がある。
しかし、メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は「論争を恐れず、国産のホワイトコーンだけを食用にすべき」と繰り返し主張している。