◎西岸地区ではここ数日の暴力でイスラエル人が殺害されたことに激怒するユダヤ人入植者が暴れまわっている。
2023年6月24日/ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人居住区、イスラエル人入植者に焼き払われた車と民家(Mahmoud Illean/AP通信)

ヨルダン川西岸地区にあるイスラエル軍の検問所でパレスチナ人が発砲し、まもなく軍兵士に射殺された。イスラエル警察が24日に明らかにした。

西岸地区ではここ数日の暴力でイスラエル人が殺害されたことに激怒するユダヤ人入植者が暴れまわっている。

入植者たちはパレスチナ人居住区を襲撃し、石を投げ、車や民家に火を放っている。

イスラエル警察は24日の声明で、「パレスチナのテロリストがエルサレム郊外にある軍の検問所でライフルを乱射したため、その場で射殺した」と述べている。

それによると、検問所の警備員2人が軽傷を負ったという。射殺された男の身元は明らかにされていない。

一方、西岸地区の難民キャンプやパレスチナ人居住区には怒れる入植者が押し寄せ、パレスチナ人を攻撃した。

地元の人権団体は24日、関係者の話しとして、「ライフルを携帯する武装した50人ほどの入植者がパレスチナ人居住区を襲撃し、民家少なくとも5軒に火を放った」と報告した。

イスラエル軍は現地に治安部隊を派遣し、放火に関与したとされるイスラエル人数人を逮捕したという。

イスラエルの野党党首であるラピド(Yair Lapid)前首相は24日、ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相に暴力を止めるよう要請した。「首相は今すぐ、国際社会に恥をさらす、このとんでもない暴力を糾弾し、徹底的に対処しなさい!」

またラピド氏は入植者の暴力を断じ、関与した者はひとり残らず逮捕されると警告した。「この暴力は完全に一線を越えています...」

イスラエルの治安当局は24日遅くに異例の共同声明を発表。入植者による暴力を非難した。

イスラエル軍、警察、総保安庁の責任者は共同声明で、「彼らは民族主義を押し付けるテロリストであり、我々は彼らと戦う義務を負っている」と表明した。

軍はさらなる暴挙を防ぐために治安部隊を追加派遣するとし、総保安庁は非武装の市民に対する暴力を阻止すると誓った。

ガラント(Yoav Galant)国防相も入植者による暴力を非難する別の声明を出した。

西岸地区などで今年殺害されたパレスチナ人は137人に達し、その半数が武装勢力に所属していない一般人とみられる。

東エルサレムや西岸地区などで今年パレスチナ人に殺害されたイスラエル人は25人となっており、その大半が民間人である。

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