◎ギリシャ沿岸警備隊はこれまでに82人の死亡を確認し、104人を救助。500人以上が今も行方不明のままである。
パキスタン当局は21日、ギリシャ西部カラマタ沖で発生した移民船沈没事故に関連する捜査で、人身売買を主導したとみられる7人を逮捕したと発表した。
AP通信によると、この7人は人身売買組織の構成員とみられ、パキスタン人を西欧に密入国させる主導的な役割を果たしていたという。
ギリシャ沖で先週沈没した漁船にはシリア、エジプト、パレスチナ、パキスタンの亡命希望者とみられる750人もの男性、女性、子供が乗船していたと推定されている。
ギリシャ沿岸警備隊はこれまでに82人の死亡を確認し、104人を救助。500人以上が今も行方不明のままである。
シャリフ政権が主導する一斉摘発はここ2日間で行われた。
それによると、国家警察はこれまでに人身売買に関与したとされる37人を逮捕したという。
シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は21日、国家警察が主導する一斉取り締まりは続いていると報告。情報機関も地下に潜った容疑者を追跡するため、地元警察に協力していると明らかにした。
それによると、移民は1人当たり5000~8000ドルを組織に支払っていたという。
シャリフ氏は「人身売買組織を解体する努力を続ける」と表明。国際刑事警察機構(ICPO)や他の国々の協力を仰ぎ、悲劇を繰り返さないようにすると誓った。
ギリシャ政府は沿岸警備隊が迅速に行動せず、事故を防ぐことができなかったという批判にさらされている。
死亡または行方不明になったパキスタン人の親族らはギリシャ政府に怒りをぶつけている。
この漁船は沈没するまでの約7時間、現場海域にとどまり、全く動いていなかったとみられる。しかし、沿岸警備隊は移民たちが助けを拒み、イタリアへの航路を進んでいたと主張している。
ギリシャ政府も警備隊の主張を支持し、「漁船は沈没する直前まで救助を望まず、危険な状態にはなかった」としている。