◎イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化。各地で暴力事件が相次いでいる。
2023年6月19日/ヨルダン川西岸地区の都市ジェニン(Majdi Mohammed/AP通信)

ヨルダン川西岸地区の都市ナブルスで19日、イスラエル軍とパレスチナ人武装勢力に銃撃戦が発生し、パレスチナ人少なくとも5人が死亡、100人近くが負傷した。地元当局が明らかにした。

パレスチナの保健当局によると、これまでに15歳の少年を含む少なくとも5人の死亡を確認したという。

ガザ地区に拠点を置くイスラム過激派組織「イスラム聖戦」は殺害された5人のうち3人が自軍の戦闘員であると主張した。

イスラエル軍はこの銃撃戦で自軍の兵士8人が負傷したと報告している。

軍報道官によると、特殊部隊は指名手配中の武装勢力2人を逮捕するため、19日早朝にジェニンの難民キャンプに突入したという。

武装勢力はこれに激しく抵抗した。地元メディアによると、イスラエル軍の装甲車数台が爆発物による攻撃で破壊されたという。

軍報道官は声明で「テロリストは道路脇に爆弾を設置し、部隊を迎え撃った」と報告。負傷した兵士を退避させるためにヘリコプターまで動員された。

地元紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、イスラエル軍が西岸地区にヘリを送ったのは20年ぶり。

ヘリも武装勢力の攻撃を受け、テールローターで軽微な損傷が確認されたものの、負傷した隊員を無事イスラエル領内に送り届けたようだ。

銃撃戦は10時間ほど続いたと伝えられている。

パレスチナ指導部とアラブ諸国はイスラエルの取り締まりを厳しく非難した。

これに対し、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は治安部隊を称賛し、「勇敢な兵士たちが強さと決意を持ってテロリストに立ちむかった」と述べた。

ネタニヤフ氏は負傷者が搬送された病院にも足を運び、労をねぎらった。

イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化。各地で暴力事件が相次いでいる。

ヨルダン川西岸地区などで今年殺害されたパレスチナ人は120人を超え、その半数が武装勢力に所属していない一般人とみられる。

パレスチナ人の襲撃で死亡したイスラエル市民は21人となっている。イスラエル軍によると、ジェニンの難民キャンプには武装勢力やそれとつながりのある戦闘員が複数潜伏しているという。

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