◎ヨルダン川西岸地区などで今年殺害されたパレスチナ人は120人に達し、その半数が武装勢力に所属していない一般人とみられる。
イスラエル軍の兵士が15日、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人男性の頭を撃ち抜き、殺害した。パレスチナ自治政府が明らかにした。
パレスチナ保健省によると、事件は西岸地区のナブルスで発生。イスラエル兵が20歳男性の頭を撃ち抜いたという。
イスラエル軍は15日、ナブルスをパトロールしていた部隊が銃撃されたため、応戦したと声明を出した。
それによると、部隊は昨年のイスラエル兵殺害事件に関与したとされるパレスチナ人男性の自宅を取り壊していたという。
イスラエル政府は将来の攻撃に対する抑止力として、テロに関与した者の自宅を取り壊している。批評家はこの戦術を「懲罰」と呼び、パレスチナ人の怒りを煽っていると批判している。
イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化。各地で暴力事件が相次いでいる。
ヨルダン川西岸地区などで今年殺害されたパレスチナ人は120人に達し、その半数が武装勢力に所属していない一般人とみられる。
イスラエル軍は昨年初めにパレスチナ人によるテロ攻撃が急増したことを受け、西岸地区の取り締まりを強化した。
イスラエル軍は取り締まりの中で死亡したパレスチナ人の大半が武装勢力の戦闘員と主張しているが、地元の人権団体は抗議中に石を投げた若者や子供、現場で取材に当たっていたジャーナリストなどが犠牲になったと非難している。
今年パレスチナ人の襲撃で死亡したイスラエル市民は21人となっている。