◎タリバンは音楽をシャリアの教えに反するものと考えている。
アフガニスタンを統治するタリバンが結婚式場での音楽演奏を禁じた。
AP通信によると、勧善懲悪省は11日、首都カブールにある結婚式場に対し「会場内で音楽を演奏もしくは流すことは許されない」と所有者に警告したという。
勧善懲悪省はシャリア(イスラム法)を遵守しない国内の報道機関、ジャーナリスト、企業などを厳しく取り締まっている。
同省は公式ホームページに声明を投稿し、「結婚式場で音楽を流すことはできず、違反した者は処罰の対象になる」と警告した。
タリバンは昨年、公共の場で音楽を流さないよう事業者などに助言したが、この政令はそこまで厳しく執行されなかった。
AP通信の取材に応じたカブールの結婚式場関係者は、「音楽を演奏も再生もできない結婚式に何の価値があるのか?我々は葬儀屋ではない」と憤慨した様子で語った。
タリバンによる2021年8月の政変後、多くのアーティストやミュージシャンがアフガンを離れ欧米諸国に亡命した。
タリバンは音楽をシャリアの教えに反するものと考えている。
旧タリバン政権は音楽、凧揚げ、テレビ、派手なヘアカットなど、無害に思える数多くの活動を非合法化した。
米国主導の侵攻で旧タリバン政権が崩壊すると、こうした娯楽は復活した。しかし、2年前にタリバンが復権すると、再び弾圧が強まった。
アフガンの女性や少女は進学や就労を禁じられるなど、厳しい状況に置かれている。
4月には北東部バダクシャン州の女性が運営するラジオ局が一時閉鎖に追い込まれた。タリバンによると、このラジオ局はラマダン期間中に音楽を流したため、取り締まりの対象になったという。