◎南スーダン北東部マラカルの国連基地内にある民間人避難施設で発生した部族間衝突について、死者数が20人を超え、50人以上が負傷した。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は9日、南スーダン北東部マラカルの国連基地内にある民間人避難施設で発生した部族間衝突について、死者数が20人を超え、50人以上が負傷していると報告した。
それによると、現場で働く医療スタッフ2人が戦闘に巻き込まれ、負傷したという。負傷者の一部は首都ジュバに空輸された。
この施設で生活する2つの部族は8日、何らかの理由で衝突したと伝えられているが、詳細は明らかになっていない。
現地当局は鋭利な刃物を持った男たちが切り合ったと報告している。
MSFの南スーダン責任者はAP通信の取材に対し、「9日朝は比較的落ち着いていたものの、施設から逃れた多くの女性や子供が戦闘再燃を恐れ、施設に戻れずにいる」と語った。
南スーダンの国連事務所は声明で、「政府に施設の警備を強化するよう要請した」と述べている。
キール政権は暴力に深刻な懸念を表明し、国連および関係機関と連携して必要な支援を提供するとしている。
南スーダンは2011年にスーダンから独立。それから2年後、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の組織に攻撃を仕掛け、内戦状態に陥った。
内戦は2018年の和平合意で終結。犠牲者は数十万人と推定されている。
マラカルを含む難民キャンプでは今も数万人が生活している。
マラカルの施設には隣国スーダンの紛争から逃れた多くのスーダン市民が避難しており、その数は2カ月たらずで4万人を超えた。