◎軍政と準軍事組織の戦闘は民間人、特に子供たちに大きな犠牲を強いている。
国連は7日、戦闘が続くスーダンの首都ハルツームの孤児院が攻撃を受け、多くの子供が避難を余儀なくされたと発表した。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬からハルツームなどの支配権を争っており、米国とサウジが仲介した停戦協定発効以降も戦闘が続いている。
国連児童基金(ユニセフ)は7日、「ここ数カ月の戦闘、飢え、病気により70人以上の子供が死亡した」と明らかにした。
ハルツームの孤児院に対する攻撃は先月末に発生したと伝えられている。
ユニセフは声明の中で、「孤児院に避難していた子供約300人が避難を余儀なくされた」と述べているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
AP通信は軍政関係者の話しとして、「治安部隊が子供を保護し、ユニセフが医療、食料、教育などの人道支援を提供している」と報じている。
避難を支援した赤十字国際委員会(ICRC)は公式ツイッターアカウントに声明を投稿。「孤児院の職員など70人も子供たちと一緒に新しい施設に避難した」と書き込んだ。
またICRCは「戦闘が激化する中、多くの子供が適切な医療を受けられず、信じられないほど困難な時間を過ごしている」と述べている。
ユニセフもICRCも子供たちがいつどこに移動したかなど、詳細を明らかにしていない。地元の慈善団体はハルツームの南東約135kmに位置するマダニの施設に避難したと報告している。
軍政とRSFの戦闘は民間人、特に子供たちに大きな犠牲を強いている。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、4月15日以降の戦闘で子供少なくとも190人を含む1800~2000人が死亡、数千人が負傷したという。同委員会は実際の死者数はこれよりはるかに多いとみている。
国際移住機関(IOM)はこの紛争によって市民190万人以上が避難を余儀なくされ、そのうち約47万7000人が近隣諸国に逃亡したと推定している。
国連は多くの市民がハルツーム市内にとどまり、逃げ場を失い、食料や水の確保に苦労していると報告している。戦闘は人道支援団体の活動にも支障をきたしている。