◎ヌエボラレドはメキシコで最も危険な地域のひとつであり、麻薬密輸組織セタスから分裂したカルテルの支配下に置かれている。
2018年6月22日/メキシコ軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は7日、北部ヌエボラレドで正当な理由なく男性5人を射殺したとされる陸軍兵士の責任を追及すると表明した。

オブラドール氏は軍隊を強く支持し、自身の政権下で軍による人権侵害をゼロにすると主張している。

陸軍が今週公開した防犯カメラの映像には、ヌエボラレド市内で黒いピックアップトラックが壁に激突する様子が映っていた。

それを追っていたとみられる陸軍のトラックがその直後に到着、ピックアップの助手席側に突っ込んだ。

トラックの運転手を含む男性5人は兵士に引きずり出され、蹴られ、壁に押しつけられた。その後、彼らは死体で発見された。この「超法規的殺人」は先月発生したとされる。

オブラドール氏は定例会見で「これは明らかに処刑であり、許されることではない」と述べ、「関与した兵士および責任者は訴追され、裁判にかけられる」と強調した。

事件に関与したとされる兵士数人はトラックから男性5人を引っ張り出し、武装を解除した後、蹴りを叩き込み、壁際に並ばせた。

その後、兵士たちは壁から離れ、発砲しているように見える。男性5人の姿は監視カメラに映っていない。

兵士たちは現場を歩き回る。そのうちの1人は指紋を残さないよう赤い袋を使って証拠の銃を拾い上げ、遺体の横に置いた。

ヌエボラレドでは今年、陸軍兵士による超法規的殺人が少なくとも2件目報告されている。2月26日には兵士少なくとも4人が車に乗っていた若者5人を射殺した。

中央政府の専門家委員会はこの事件について、「兵士たちは非武装の若者が乗った車に口頭で停車を指示することなく発砲した」と説明している。

事件を目撃した住民の一部は怒り狂い、兵士に殴りかかったと伝えられている。

連邦検察は4月、この事件に関与した兵士4人を殺人罪で起訴した。

ヌエボラレドはメキシコで最も危険な地域のひとつであり、麻薬密輸組織セタスから分裂したカルテルの支配下に置かれている。

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