◎イランの南部地域は慢性的な水不足に悩まされており、水源を巡る小競り合いが何度も報告されている。
イランとアフガニスタンの国境付近で27日、銃撃戦が発生し、イランの国境警備隊員少なくとも2人とタリバンの戦闘員1人が死亡した。
アフガン内務省の報道官は声明で、「イランの国境警備隊が南部ニムロズ州側に向けて発砲したため、応戦した」と述べている。
それによると、銃撃戦は1時間ほどで収まったという。
報道官は「双方で1人ずつ死亡が確認され、数人が負傷した」としている。
一方、国営イラン通信(IRNA)は同日、この衝突でイランの国境警備隊員2人が死亡、民間人2人が負傷したと伝えた。
英字紙テヘラン・タイムズはイランの国境警備隊員3人が死亡したと伝えている。
イランのライシ(Ebrahim Raisi)大統領は今月、タリバンに対し、イラン東部地域に通じるヘルマンド川の水量を制限することは1973年の協定に違反すると警告した。
タリバンはヘルマンド川の水量を制限したというイラン当局の主張を否定している。
タリバンの報道官は声明の中で、「いかなる問題においても対話と交渉による解決を望み、戦争を含む否定的な行動は双方の利益にならない」と述べている。
イラン政府はこれに対し、タリバンが先に発砲したと非難した。
IRNAは政府高官の話を引用し、「タリバンは国際法を遵守せず、国境検問所に向けて発砲した」と伝えている。
またIRNAは「政府はこの地域の交易の要衝である通りを、追って通知があるまで封鎖した」と報じた。
IRNAはイラン国境警備隊の声明として、「隊員は優れた重火器を使ってタリバン軍を追い払った」としている。
この地域で活動する支援団体によると、銃撃戦はニムロズ州の国境線近くにある町で発生し、多くの市民が避難を余儀なくされたという。
イラン南部シスタンバルチスタン州のパキスタン国境付近でも先週、正体不明の武装集団とイラン国境警備隊が衝突し、数人が死亡したと伝えられている。
イランの南部地域は慢性的な水不足に悩まされており、水源を巡る小競り合いが何度も報告されている。