◎環境保護団体「ラストジェネレーション」はショルツ政権により思い切った行動を取るよう求め、この1年間、様々な場所で抗議デモを行ってきた。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は22日、一部の環境活動家による「常軌を逸した抗議デモ」が市民生活に影響を与えていると批判した。
ドイツ通信社(dpa)によると、ショルツ氏は22日にベルリン郊外の小学校を視察した際、一部の環境活動家による抗議デモを「狂気の沙汰」と呼び、厳しく批判したという。
ショルツ氏は「幹線道路のアスファルトに自分の手を接着したり、絵画を破壊したりすることは抗議デモではなく、狂気の沙汰だと思う」と述べた。「人々はこのような行動を支持せず、腹を立てています...」
環境保護団体「ラストジェネレーション」はショルツ政権により思い切った行動を取るよう求め、この1年間、様々な場所で抗議デモを行ってきた。
ベルリンではこの数週間、ほぼ毎日、交通量の多い幹線道路や交差点でラストジェネレーションの活動家が抗議デモを行っている。
22日には市中心部の幹線道路に男が座り込み、左手とアスファルトを接着剤で接着。警察はノミとハンマーで何とかアスファルトをはがし、男を連行した。
ラストジェネレーションは22日、SNSと公式ホームページに声明を掲載し、ショルツ氏を「とんでもないリーダー」と非難した。
「ショルツさん。あなたは子供たちの未来を破壊しようとするだけでなく、平和的に抗議している活動家を狂った連中と呼びました。これはいったいどういうことですか?」
また同団体はショルツ政権に対し、気候変動対策にもっと力を入れるよう改めて求めた。
dpaによると、環境活動家のデモを支持しない人々、特に交通渋滞に巻き込まれた怒れるドライバーたちが力づくで活動家を排除する事件が複数報告されたという。ベルリン警察はドライバーたちに自警団を結成しないよう呼びかけている。
ラストジェネレーションは2030年までにすべての化石燃料発電およびその使用を停止し、高速道路に制限速度を設けるなどの措置を取るよう政府に求めている。
ショルツ氏は一部の環境活動家を批判する一方、同政府はドイツ経済をより環境に優しく、より気候に優しいものに変えていくことに尽力していると主張した。
ショルツ政権は2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で少なくとも65%削減し、化石燃料発電の段階的な廃止と再生可能エネルギーの増強計画を立てている。