◎この包囲はカーン氏の支持者を怒らせる可能性が高く、さらなる暴動を引き起こす恐れがある。
2023年5月17日/パキスタン、東部ラホール、カーン前首相の自宅前(K.M. Chaudary/AP通信)

パキスタンの警察が17日、東部ラホールにあるカーン(Imran Khan)前首相の自宅を包囲した。

警察はカーン氏がここ数日の暴動に関与したとされる関係者数十人を匿っていると主張している。

この包囲はカーン氏の支持者を怒らせる可能性が高く、さらなる暴動を引き起こす恐れがある。

カーン氏は先週、イスラマバード高裁に出廷した直後に逮捕された。地検は3月にカーン氏を含む前政権の閣僚や関係者などをテロ容疑などで告発していた。

しかし、最高裁はその後、高裁の敷地内で繰り広げられた逮捕劇を「地検の暴走」と批判し、カーン氏の保釈を認めた。

カーン氏の支持者は全国各地で抗議デモを開き、一部地域で機動隊と衝突した。

カーン氏は17日、自身のツイッターアカウントに声明を投稿した。「警察が私の自宅を取り囲んだ。恐らく、これが最後の投稿になるだろう。彼らは私に罪を着せ、辱めるつもりだ...」

一方、パンジャブ州政府の報道官は記者会見で、「カーン氏は24時間以内に自宅に匿っている容疑者約40人を引き渡す必要がある」と警告した。

それによると、カーン氏は今回の暴動に関与したとされる者(関係者とみられる)を匿っているという。一連の暴動による逮捕者は3400人を超えた。警察はさらなる捜査を準備しているようだ。

パンジャブ州政府の報道官は地元テレビ局のインタビューで、「カーン氏が要請に応じなかった場合は家宅捜索に踏み切ることになる」と語った。

また報道官はカーン氏が「逮捕される」とツイッターで示唆したことについて、「警察は最高裁の判決を支持しており、その主張は完全に誤り」と反論した。

シャリフ政権はここ数日の暴動に関与した市民を軍事法廷にかけると主張している。陸軍司令官は兵士に宛てた17日の声明で、「いかなる理由があろうと暴力を容認せず、組織化された暴動に関与した者をひとり残らず捕らえる」と誓った。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは市民を軍事法廷にかけるという政府の主張に警鐘を鳴らしている。

アムネスティの南アジア地域局は声明で、「一般市民を軍事法廷で裁くことは国際法に反する」と批判した。

軍事裁判は通常、完全非公開で行われる。

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