◎ウクライナ軍は2014年に併合されたクリミア半島を含む占領地(ルハンシク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州)の奪還を目指している。
2023年5月14日/ドイツ、西部アーヘン、欧州統合に貢献した人物を表彰する「カール大帝賞」の授賞式、ゼレンスキー大統領(中央)と欧州の首脳ら(Federico Gambarini/ドイツ通信社)

ウクライナはゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は14日、訪問先のドイツ・ベルリンでショルツ(Olaf Scholz)首相と会談し、大規模な反転攻勢を準備していると改めて表明した。

ゼレンスキー氏は会談後の記者会見で、「我々は占領地奪還を目指しており、(国際的に認められた)ロシア領を攻撃するつもりはない」と強調した。「我々は不法に征服された領土を奪還するための準備をしています...」

ウクライナ軍は2014年に併合されたクリミア半島を含む占領地(ルハンシク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州)の奪還を目指している。

ショルツ氏は必要な限りウクライナを支援すると表明し、27億ユーロ(約4000億円)相当の追加軍事支援を約束した。

これにはレオパルト2戦車やロシア軍のミサイルに対抗する防空システムなどが含まれる。

ゼレンスキー氏は準備中の反攻について、「2022年2月のロシアによる侵攻開始以来、最大の規模になる」と説明した。

一方、ロシア国防省はウクライナ軍がロシア領内を繰り返し攻撃していると非難。今月初めにはモスクワの大統領府にドローンが飛来したと主張した。

ウクライナとに西側政府はこれらの主張を否定する一方、「ウクライナには国際的に認められていない占領地を奪還する正当な権利がある」と強調している。

ゼレンスキー氏はベルリンから西部の都市アーヘンに移動し、欧州統合に貢献した人物を表彰する「カール大帝賞」の授賞式に参加。同賞を受賞した。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は演説で、「ウクライナは信念を貫く勇気、自由のための戦い、平和と統一へのコミットメントという、欧州の理念のすべてを体現している」と述べ、ゼレンスキー氏を称賛した。

一方、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は14日、ウクライナと国境を接するロシア西部ブリャンスク州で13日にロシア軍の戦闘機とヘリが墜落したことについて、自軍の防空システムに撃墜された可能性があると示唆した。

ロシア政府はこの墜落に関する声明を出していない。

ウクライナ空軍は同日、ロシアが発射した無人機25機と巡航ミサイル3発を撃墜したと発表した。

ウクライナ大統領府によると、直近24時間のロシア軍による攻撃で民間人少なくとも6人が死亡、16人が負傷したという。

ドネツク州バフムートではウクライナ軍とワグネルの激戦が続いているものとみられる。

東部ルハンシク州の親ロシア政府はウクライナ軍の攻撃が増加し、一部地域のモバイルインターネットが停止したと報告した。

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