◎トランプ氏は20人以上の女性から性的不品行(レイプ、脅迫、いじめなど)で訴えられているが、性的暴行で法的責任を問われたのは今回が初めて。
米国のトランプ(Donald Trump)前大統領は11日、元コラムニストのジーン・キャロル(E. Jean Carroll)さんが起こした民事訴訟について、ニューヨーク地裁に控訴した。
大陪審は今週、1990年代にトランプ氏に性的暴行を受けたとするキャロルさんの訴えの一部を認め、トランプ氏に損害賠償として500万ドル(約7億円)を支払うよう命じた。
陪審人はトランプ氏がレイプに及んだことは認めなかったが、性的暴行と名誉棄損は事実と認定した。
トランプ氏は評決を非難し、「彼女のことを知らず、あったこともない」と主張した。
トランプ氏は10日に放送されたCNNニュースのインタビューでキャロルさんを「ダサい仕事人」と呼んだ。「私は自分の子供たちに誓います。そんなことはしません。彼女は誰ですか?私はまったく知らない。これはとんでもない作り話だ...」
トランプ氏はNYの陪審員が反トランプに拍車をかけていると主張し、裁判を「とんでもない茶番」と呼んだ。
トランプ氏は20人以上の女性から性的不品行(レイプ、脅迫、いじめなど)で訴えられているが、性的暴行で法的責任を問われたのは今回が初めて。
キャロルさんはトランプ氏に楽屋内でレイプされたと主張し、トランプ氏がこの申し立てを「デマ」「嘘っぱち」と呼んだことで名誉を棄損されたと告発した。
トランプ氏の弁士のひとりは9日、記者団に対し「奇妙な評決である」と語った。「陪審員はキャロルさんのレイプの主張を却下しました。これはとても不思議なことであり、理解に苦しみます」
また弁護士は左派勢力が多数派を占めるNYで公正な裁判を受けることはできないと主張した。
裁判は控訴審に移る予定だ。
キャロルさんの弁護士はAP通信の取材に対し、「トランプ氏は評決を覆す証拠を持っていない」と自信を示した。「なぜなら、それは事実だからです...」
ニューヨーク・タイムズ紙はキャロル氏の弁護士の話として、「トランプ氏が10日に放送されたCNNの番組でキャロルさんを誹謗中傷したことに対する新たな訴訟を真剣に検討している」と伝えた。
トランプ氏は2024大統領選で共和党候補に指名される可能性がある。いくつかの世論調査によると、共和党有権者の50%以上がトランプ氏の大統領選出馬を支持している。