◎サウジはアサド政権打倒を目指す反政府勢力の主要な支援者であったが、ここ数カ月は対話を求めていた。
シリア西部、イスラム国との戦闘で荒廃した町(Getty Images)

シリア大統領府は10日、サウジ外務省からアラブ連盟(Arab League)首脳会議の招待状を受け取ったと明らかにした。

シリアは今週連盟に復帰し、9日にはシリアとサウジがそれぞれ在外公館の運用を再開すると発表していた。

シリア大統領府によると、アサド(Bashar al-Assad)大統領は首脳会議の招待状を受け取ったという。

シリア内戦の犠牲者は50~60万人と推定され、10万人以上が行方不明になったとみられる。戦前の人口のおよそ半数が海外に逃亡した。

次回の連盟サミットは5月19日にサウジ紅海沿岸の都市ジッダで開催される予定だ。

シリア大統領府はヨルダン事務所の駐大使が招待状を受け取る写真を公開したが、アサド氏がサミットに参加するかどうかは明らかにしていない。

サウジはアサド政権打倒を目指す反政府勢力の主要な支援者であったが、ここ数カ月は対話を求めていた。

ヨルダンとエジプトも数年前にUAE(アラブ首長国連邦)とバーレーンの国交正常化に続き、シリアとの関係を回復した。

シリアの連盟再加入はアラブ諸国との関係改善を示すものではない。

クウェート、モロッコ、カタールはアサド政権の統治に強く反対している。カタールは戦乱のシリアで反政府勢力をバックアップしてきた。

一部のアナリストはシリアの連盟復帰について、「象徴的なものに過ぎず、問題解決にはかなりの時間がかかる」と予想している。

ヨルダンは今月初め、シリア内戦の政治的解決に向けたアラブ主導の取り組みの一環として、シリア、サウジ、エジプト、イラクとの会談を主催した。

各国の代表は難民や麻薬の密売など、その他の地域問題についても協議した。

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