◎スペインはこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。
プールサイドで水を蹴る女性(Getty Images)

スペインの警察当局は9日、南部アンダルシア州で許可を得ずに井戸を掘ったとされる26人を逮捕したと発表した。

国家警察の環境犯罪部門によると、容疑者たちは海岸沿いの町マラガの東方にある地区で許可なく井戸を掘ったり、ボーリング調査を行っていたという。

当局は250件の違法行為を確認し、公共の水インフラが受けた被害を1000万ユーロと見積もっている。

スペインはこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。

中央政府は世界を代表するオリーブオイルの生産地であるアンダルシア地方における水使用を制限するよう州政府に求めている。

スペイン国立気象局(AEMET)によると、アンダルシア地方の水資源は先月の記録的な高温と慢性的な降雨不足の影響で危機的状況にあるという。

州内を流れる複数の河川が枯れ、貯水池の水量は30%を下回った。

全国の平均貯水量も50%以下まで低下。農業の拠点であるアンダルシアとカタルーニャ自治州の極度の水不足が数字を押し下げた。

AEMETは今週、先月の平均気温が1961年に統計を取り始めて以来、初めて15度近くに達したと発表。観測史上最も乾燥した4月となり、全国の27%が「干ばつ」のカテゴリーに分類される事態となった。

中央政府はアンダルシア州議会で過半数を保持する右派政党が無許可井戸や水の無駄遣いを容認し、サンチェス(Pedro Sanchez)首相に圧力をかけていると主張している。

右派政党はこの主張を否定し、「中央政府がSNSなどを使って偽情報を流し、水危機の責任を野党になすりつけようとしている」と非難した。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク