◎フランスではこの冬、昨年から続く干ばつがさらに悪化し、多くの自治体が警報や注意報を出して市民に水の使用を抑えるよう求めている。
フランス政府は水不足が深刻な南部地域で家庭用プールの販売を禁止する予定だ。
AFP通信によると、水不足に悩まされているスペインのカタルーニャ自治州と隣接するピレネー・オリアンタル県は5月10日に「干ばつ非常事態」を宣言する予定だという。
これにより、同県内では車の洗車、スプリンクラーによる庭の水やり、家庭用プールの使用と販売が禁じられる予定だ。
同県の報道官は5日の声明で、「私たちは干ばつに対処する必要がある」と述べ、県民に理解を求めた。
報道官はプールの販売禁止を決めた理由について、「プールがあると水浴びしたいという衝動に駆られる」と説明した。「暑くなるとプールに入りたくなるのは生理現象のようなものであり、欲望を断つことが重要です」
ピレネー・オリアンタル県ではこの1年、まともに雨が降っていない。
フランスではこの冬、昨年から続く干ばつがさらに悪化し、多くの自治体が警報や注意報を出して市民に水の使用を抑えるよう求めている。
専門家によると、地中海沿岸地域の地下水位は危険なレベルまで低下しているという。比較的安全なのは西部ブルターニュ地域圏とアキテーヌ地方だけだ。
ピレネー・オリアンタル県は全国で4つ目となる干ばつ危険レベルに到達した。
首相府によると、国土のほぼ半分に相当する40以上の地区が警戒レベルにあり、今年は昨年より深刻な干ばつに見舞われる可能性が高いという。
マクロン(Emmanuel Macron)大統領は先月、全国を対象とする水管理計画を発表し、水漏れを抑制し、汚水をリサイクルする設備への投資を拡充すると表明した。
これにより、プールなどで一定量以上の水を使用するとより高い料金を課されるようになった。
首相府によると、今年、約2000の村や町で水の供給が困難になる可能性があるという。昨年は約1000の自治体で水不足が発生し、そのうち約400で給水車が投入された。