◎インドはパキスタン政府がカシミールの分離独立を目指す反政府勢力を支援していると非難しているが、パキスタンはこの主張を否定している。
インド政府は5日、北部カシミール地方の反政府勢力が陸軍のパトロール部隊に爆弾攻撃を仕掛け、兵士5人を殺害したと発表した。
軍報道官によると、反政府勢力はパキスタン国境に近いジャム・カシミール州の急峻なエリアに潜伏し、パトロール部隊に向け発砲。銃撃戦に発展したという。
報道官は声明で、「テロリストの爆弾攻撃で兵士2人が即死、3人が病院で息を引き取った」と述べている。
インド当局は今月末にこの地域で観光に関するG20(主要20か国・地域)関係者会議を開催するため、警備を強化している。
報道によると、カシミールの反政府勢力が大規模攻撃を仕掛けてきたのはこの2週間で2回目。
ジャム・カシミール州の警察によると、この銃撃戦で武装勢力の戦闘員とみられる4人も死亡したという。
インドとパキスタンはそれぞれカシミール地方の一部を管理している。この係争地をめぐる紛争が解決する目途は全く立っていない。
インドはパキスタン政府がカシミールの分離独立を目指す反政府勢力を支援していると非難しているが、パキスタンはこの主張を否定している。
パキスタンの外相は5日、中国、ロシア、その他のアジア諸国による上海協力機構(SCO)の会議に出席するため、インドを訪問した。
ジャム・カシミール州南部の地区で先月20日に発生した反政府勢力による待ち伏せ攻撃では兵士5人が死亡している。
反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、カシミールのインドからの独立とパキスタンへの編入を求め戦ってきた。
カシミールの住民の多くが独立国家になるか、イスラム教徒の多いパキスタンへの編入を支持している。
1989年の武装蜂起では民間人、反政府勢力、軍の兵士数万人が死亡したと推定されている。インドとパキスタンはこの地域全体が自国の領土であると主張している。