◎ブルキナファソと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は25日、ブルキナファソで民間人少なくとも150人が暴力に巻き込まれて殺害された可能性があると明らかにした。
OHCHRは声明の中で、この事件を「治安部隊の超法規的な取り締まりによるもの」と指摘。迅速かつ徹底した公平な調査を求めた。
ブルキナと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
ブルキナで2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200~300万人と推定され、1万人以上が死亡したと考えられている。
軍政の支配下に置かれる検察当局は今週、過激派を取り締まる中で民間人60人が死亡したとし、捜査を開始すると発表した。
ブルキナで活動する権利団体や住民によると、昨年9月にトラオレ(Ibrahim Traore)大尉率いる反乱軍が政権を奪取して以来、民間人に対する超法規的殺人や即決処刑が横行しているという。
今回の事件は治安部隊による民間人への殺傷事件としては最も深刻なもののひとつとみられ、過激派を支持・支援する民間人が攻撃の対象になったとされる。
軍政は今月初め、北部地域で子供7人が処刑される動画を公開した。軍政は治安部隊の「不届き者」が事件に関与した可能性があるとして捜査している。
AP通信は関係者の話しとして、「治安部隊員は北部の軍事基地近くにある集落で過激派を支持する子供7人を殺害した」と報じている。
この事件が発生する数日前には過激派の攻撃で陸軍兵士と民兵少なくとも40人が死亡したと報告されている。
世界最年少の大統領となったトラオレ氏は過激派に奪われた領土を「征服」し、国の安全を確保すると約束したが、過激派は攻勢を強め、市民数十万人が今も占領地に閉じ込められている。
ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)によると、ブルキナ軍政は国土の約60%ほどしか管理できておらず、残り40%は過激派の支配下に置かれているという。