◎数百人はゆったりとしたペースで市中心部の幹線道路を進み、途中で何度か歌を歌い、警察に道を開けるよう命じた。
ドイツの首都ベルリンで21日、環境活動家によるデモ行進が行われ、中心部の幹線道路で大渋滞が発生した。
環境保護団体「ラストジェネレーション」はショルツ政権により思い切った行動を取るよう求め、この1年間、様々な場所で抗議デモを行ってきた。
SNSにはデモ隊が市内の道路を占領し、警察と対峙する写真や動画が拡散。トラック運転手は激怒し、保守的な政党や極右グループは罵声を浴びせた。
21日のデモに参加した数百人はゆったりとしたペースで市中心部の幹線道路を進み、途中で何度か歌を歌い、警察に道を開けるよう命じた。
警察は許可ルートを外れたデモ隊を退去させ、その後、デモ主催者は許可ルートを行進すると約束した。
ラストジェネレーションは今週初め、今後数日間以内に行動を起こすと述べ、「平和的に街を静止させ、温室効果ガスの排出を抑える」と宣言した。
原発廃止を公約に掲げるショルツ政権は運用を停止していた石炭火力の再稼働を認め、LNG基地の新設・改良工事を推進している。
ラストジェネレーションを含む活動家たちは石炭・石油・天然ガスの使用を2030年までに停止するよう政府に要求。さらに、刑法を改正して高速道路に厳しい速度制限を設け、ガスの排出量を抑えるよう求めている。
ウィッシング(Volker Wissing)運輸・デジタル相は速度制限の考えを否定しているが、来月初めに活動家たちと面会する予定だ。
ベルリン警察は21日、運転手に対し、活動家を攻撃したり、車でひいたりしないよう警告した。以前の抗議デモでは、怒った運転手が活動家を引っ張りまわし、車に叩きつけたこともあった。
内務省の報道官は声明で、「デモに対する自警活動は容認されず、取り締まりを行えるのは警察のみである」と強調した。