◎この規模の捕虜交換は2020年10月以来2年半ぶり。
赤十字国際委員会(ICRC)は16日、イエメンの大部分を実行支配するシーア派武装勢力「フーシ」とサウジアラビアの捕虜交換が完了したと発表した。
ICRCによると、捕虜交換は3日間に渡って行われ、イエメン政府の高官やハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)前大統領の弟など、双方の捕虜約900人が解放されたという。
ICRCは声明の中で「フーシ派の捕虜700人以上と、サウジ連合軍の捕虜180人以上が解放された」と述べている。
この規模の捕虜交換は2020年10月以来2年半ぶり。この時は1000人以上が解放された。
取り引きを仲介した国連はSNSに声明を投稿。捕虜交換が予定通り行われたことを歓迎した。
ICRCは「約900人の捕虜が家族と再会したことを嬉しく思う」と述べ、今回の取り引きを「内戦終結と和解に向けた重要な一歩」と評した。
フーシ派はイランの支援を受け、2014年にイエメン政府への攻撃を開始。サウジは翌年、イエメン政府を助けるためにフーシ派への空爆作戦を開始した。
イエメン政府高官は南部に退避し、その後サウジに亡命した。
この戦争による死者は少なくとも16万人と推定され、数百万人の子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
今回の捕虜交換では、フーシ派に拘束されていたイエメン軍のトップも解放された。
フーシ派はサウジ連合軍で活動していたサウジ軍およびスーダン軍兵士を解放している。
またフーシ派は首都サヌアの裁判所で死刑判決を受けたイエメン人ジャーナリスト4人を赦免、解放した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4人の裁判を「不公平」と評し、解放を求めていた。