◎中央アフリカ・チャドは4年連続で厳しい食料不足に見舞われている。
世界食糧計画(WFP)は14日、緊急の国際援助を得られなければ、数週間以内に人道支援を必要とするチャドの難民約60万人を養うことができなくなると警告した。
WFPによると、チャドは西アフリカと中央アフリカで最も多くの難民を受け入れており、その数は隣国スーダンの騒乱で急増したという。
WFPのチャド担当はジュネーブの記者団に対し、「資金が圧倒的に不足しており、緊急の人道支援を必要とする人々への配給を減らさなければならなかった」と語った。
それによると、チャド支部は難民約46万人を支援する計画を27万人程度まで縮小したという。
WFPは「5月以降は資金が枯渇する」と述べ、国際社会に支援を呼びかけた。
国連はチャドで生活する▽国外から避難してきた難民▽38万人の国内避難民▽異常気象の影響で家畜や住まいを失った市民など、危機的状況にあるすべての人々に食料を提供する必要があると警告。今後6カ月の活動資金を最低でも1億4270万ドルと見積もっている。
援助がこれを下回った場合、数十万人が支援を受けられなくなる可能性がある。
チャドは4年連続で厳しい食料不足に見舞われている。
同国は昨年、この10年で最悪の不況と大洪水に見舞われた。国連によると、市民少なくとも190万人が食料支援に頼って生活しているという。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)もチャドの難民およびNGOなどの援助団体を救済するために1億7250万ドルの資金調達を検討している。
UNHCRの報道官は14日、ジュネーブの記者団に対し、「チャド向けの資金が足りない」と述べ、支援を呼びかけた。
また報道官は、「UNHCRはチャドおよびナイジェリア政府に難民の自主的な帰還を促すよう求めていく」と述べた。