◎退職年齢を62歳から64歳に引き上げる年金制度改革に抗議するデモは3カ月目に突入した。
2023年4月6日/フランス、パリ中心部の雑居ビル、政府の年金制度改革に抗議するデモ隊(ロイター通信)

フランスの首都パリで6日、マクロン政権の年金制度改革に抗議するデモが暴動に発展した。

AFP通信によると、マクロン(Emmanuel Macron)大統領のお気に入りカフェがデモ隊の襲撃を受け、破損したという。

機動隊は飲食店「ラ・ロトンド(La Rotonde)」の周囲にバリケードを設置したものの、デモ隊の攻撃を受け後退。デモ隊はラ・ロトンドに石やボトルを投げつけた。

退職年齢を62歳から64歳に引き上げる年金制度改革に抗議するデモは3カ月目に突入した。

憲法評議会は来週、この法案を審議する予定だ。

ボルヌ(Élisabeth Borne)首相は先月、国民議会(下院)で憲法49条3項を発動し、この法案を採決なしで強行採択した。

マクロン氏は現在、習近平(Xi Jinping)国家主席と会談するために中国を訪れている。

改革に反対する労組はストライキで対抗。混乱は全国に拡大し、100万人規模の抗議デモに発展した。

労組の指導者たちは憲法評議会の審議が始まるまで勢いを保ちたいと考えている。

マルセイユのデモに参加した男性はAFPの取材に対し、「私たちはまだ諦めていないし、諦めるつもりもない」と語った。

パリではスペインの巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)も訪れたとされるラ・ロトンドの近くで乱闘が発生した。デモ隊は機動隊に石、ボトル、ペンキを投げつけた。

マクロン氏は2017年の大統領選で勝利した後、ラ・ロトンドで祝杯をあげた。

AFPによると、鉄道労組のデモ隊はパリにある旧国営銀行クレディ・リヨネの旧本社を襲撃したという。

内務省は6日のデモ参加者を57万人と推定した。労組は200万人近くが参加したと主張している。

労組は「憲法評議会の審議が行われる前日に新たなストと抗議デモを行う」とSNSに投稿。組合員に参加を呼びかけた。

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