◎タリバンは2021年8月の政権奪取後、国際社会に女性の権利を保障すると約束したにもかかわらず、厳しい措置を取ってきた。
アフガニスタン、首都カブール、タリバン政権に抗議するデモ(Getty Images)

国連は4日、アフガニスタンのタリバンが同国で働く国連女性職員の就労を禁じたと発表した。

国連のアフガンミッションは声明で、「東部ナンガルハル州の女性職員が出勤を妨害された」と報告。深刻な懸念を表明した。

国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官はニューヨークの記者団に対し、「最も脆弱な人々、特に女性や少女に支援が届くよう、あらゆる手段を追求し続ける」と語った。

またデュジャリック氏は「国連はタリバンからではなく、情報源から禁止令が公布されたことを知った」と述べた。

タリバンの報道官は今のところ声明を出していない。

AP通信は関係者の話として、「首都カブールの国連事務所には女性職員も出社している」と報じた。

タリバンは2021年8月の政権奪取後、国際社会に女性の権利を保障すると約束したにもかかわらず、厳しい措置を取ってきた。

タリバンは女性の就労機会を奪い、少女の中等教育を禁じている。女性は公園に行くことすらできず、ブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)の着用を強制されている。

タリバンの就労禁止令はNGOにも適用されている。アフガンで人道支援に当たるNGOのほぼ全てが女性の力に頼っており、国際協力NGOケア・インターナショナル、ノルウェー難民協議会(NRC)、セーブ・ザ・チルドレンなどの主要NGOが活動停止を余儀なくされた。

国連の女性職員は禁止令の対象外だったものの、ナンガルハル州の事案により、国連も標的にされるのではないかという懸念が高まっている。

デュジャリック氏はグテレス(Antonio Guterres)事務総長の話を引用し、「そのような禁止令は容認できず、率直に言ってあり得ず、考えられないし、信じられない」と批判した。

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