◎プーチン大統領は先月末、ベラルーシに戦術核兵器を配備すると発表し、ウクライナへの軍事支援を強化する西側を威嚇した。
ベラルーシの駐ロシア大使は2日、ロシアの戦術核兵器がベラルーシのNATO加盟国国境付近に配備されると発言した。
プーチン(Vladimir Putin)大統領は先月末、ベラルーシに戦術核兵器を配備すると発表し、ウクライナへの軍事支援を強化する西側を威嚇した。
グリズロフ(Boris Gryzlov)大使は2日に放送されたベラルーシ国営テレビのインタビューで、「ロシアの核兵器はNATO国境近くに配備される」と述べたが、正確な位置は明らかにしなかった。
プーチン氏はベラルーシの核兵器貯蔵施設の建設について、7月1日までに完了すると説明。ロシアはベラルーシの爆撃機を近代化し、核弾頭を搭載できるようにしたとしている。
ロシアとベラルーシは経済、政治、軍事面で緊密な関係を築くことを想定した協定を結んでいる。またロシアはベラルーシの領土に部隊を展開し、ウクライナ侵攻の中継地として利用している。
グリズロフ氏はインタビューの中でプーチン氏の決定に対する西側の批判に言及し、「これはベラルーシの防衛能力を拡大する取り組みのひとつであり、周りの雑音に関係なく行われる」と述べた。
ベラルーシはNATO加盟国のラトビア、リトアニア、ポーランドと国境を接している。
戦術核兵器は戦場で敵の部隊や兵器を破壊することを目的とし、都市全体を消し去ることができる戦略核兵器(長距離ミサイル)と比較すると威力が低く、射程距離も短い。
ロシアの戦術核兵器がベラルーシに配備されれば、ウクライナや東欧・中欧のNATO加盟国への核攻撃がより現実的なものになる。
ベラルーシの独裁者ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は以前から核兵器の配備をロシアに求めていた。