◎トランプ氏は自身の疑惑を丸ごと否定し、検察を「凶悪犯」、民主党を「破壊者」と呼んでいる。
ドナルド・トランプ前大統領(Getty Images)

マンハッタン地検が30日、トランプ(Donald Trump)前大統領を起訴した。米大統領経験者の起訴は初めてであり、民主党員は歓声を、共和党員は怒りの声を上げた。

マンハッタン地検は罪状を明らかにしていないが、ポルノスター「ストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さん」が関連しているとみられる。

地検は2016年の大統領選期間中にトランプ氏と不倫関係にあったとされるダニエルズさんに対し、13万ドルの口止め料を支払ったという疑惑について捜査している。

トランプ氏は自身の疑惑を丸ごと否定し、検察を「凶悪犯」、民主党を「破壊者」と呼んでいる。

このセックス疑惑はトランプ氏が13万ドルを支払った後、当時の弁護士であるコーエン(Michael Cohen)氏がそれをどのように処理したかが争点となっている。

コーエン氏はそれを「弁護士費用」として計上したとされる。地検はこれが「記録の改ざん」「政治資金規正法違反」に当たる可能性があるとして捜査を続けている。

マンハッタン地検のブラッグ(Alvin Bragg)検事長の広報担当は声明で、「今晩、トランプ氏の弁護士に連絡を取り、罪状認否のためにマンハッタン検事局への出頭を調整するよう求めた」と述べている。

AFP通信によると、トランプ氏は4月4日に出頭する可能性が高い。地検は日程が確定次第、通知するとしている。

ABCニュースも関係筋の話として、「トランプ氏は来週自首する予定」と報じた。

しかし、トランプ氏はABCのメール取材に対し、起訴を「政治的迫害」「我が国への攻撃」と呼んだ。

またトランプ氏は「民主党は2024大統領選を有利に進めるために司法を武器化した」と主張した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディアにも声明を投稿。こう述べている。

「私がトランプタワーの黄金のエスカレーターを降りてきた時から、そして私があなたの合衆国大統領として宣誓する前から、急進左派民主党、この国の敵は、MAGA(Make America Great Again)運動を破壊するための魔女狩りに従事してきたのです」

「敵は我が国の大統領、圧倒的な共和党の大統領候補を罰するために司法制度を武器化したのです。このような異常事態は米国の歴史上初、これまでに一度も起こったことがありません」

トランプ氏とダニエルズさんがセックスしたかどうかは明らかにされていないが、ダニエルズさんは自身のツイッターアカウントに声明を投稿し、トランプ氏の起訴を祝った。

2016年の選挙戦終盤にダニエルズさんに小切手をプレゼントした元弁護士のコーエン氏は別のトランプ案件で罪を認め、刑に服している。

AP通信などによると、コーエン氏の会社はこの費用を「弁護士費用」として記録していたとされる。地検はこれが不正に当たるとして捜査しているが、詳細はまだ明らかになっていない。

コーエン氏は今月初め、マンハッタン大陪審での証言に臨んだ際、「これは説明責任の問題だ」と記者団に語っていた。

またコーエン氏はトランプ氏について、「彼は自分が関与した汚い行為について責任を負う必要がある」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

トランプ氏は以前から、「自分は絶対に絶対に何も悪いことはしていない」と主張し、地検の捜査を魔女狩りと呼んできた。

AP通信はトランプ氏の弁護士の話を引用し、「この支払いは選挙運動ではなく、トランプ氏の家族を守るためのものだった」と報じている。

弁護士は2週間前に放送されたABCのインタビューでもこう述べていた。「トランプ氏は彼自身や彼の家族、彼の息子にとって恥ずかしい話が出てくることを防ぐために、個人の口座から支払ったのです」

ペンス(Mike Pence)前副大統領は30日、トランプ氏の起訴を「怒り」と呼び、「政治的迫害に見える」と主張した。

ペンス氏はCNNニュースのインタビューで、「米国民はこれをこの国における政治的迫害のひとつとみなすだろう」と述べた。

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