◎首都テルアビブの中心部で26日夜に行われた抗議デモには数万人が参加した。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が26日、司法制度改革に反対を表明したガラント(Yoav Galant)国防相を解任した。
報道によると、ネタニヤフ氏はガラント氏を呼び出し、別れを告げたという。
ガラント氏は25日の声明で、「イスラエル国防軍のメンバーはかつて経験したことのない失望、怒り、悲しみに直面している」と述べていた。
ネタニヤフ氏は汚職容疑で公判中にもかかわらず、司法制度の見直しを政策の柱に掲げ、リベラル派で構成される最高裁の判決を覆す権限を連邦議会に付与すると誓っている。
法案が採択されれば、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆すことができるようになる。
この法案はイスラエル史上最大の抗議デモを引き起こした。
ガラント氏は声明の中で、「法案は国家安全保障に深刻な影響を与える」と訴えていた。
ネタニヤフ氏の与党・リクードの一部議員はガラント氏を支持したが、リクードと連立を組む超国家主義政党は即時退陣を要求していた。
首都テルアビブの中心部で26日夜に行われた抗議デモには数万人が参加した。
野党党首のラピド(Yair Lapid)前首相は26日、ガラント氏の解任を「民主主義の危機」と呼び、ネタニヤフ氏を厳しく批判した。「ネタニヤフ首相はガラント氏をクビにすることはできても、現実をクビにすることはできないし、連立政権の狂気に抵抗するイスラエル国民をクビにすることもできません」
ガンツ(Benny Gantz)前国防相もガラント氏の解任に深刻な懸念を表明し、「ガラント国防省は連立政権の利益より国家安全保障を優先した」と称賛した。
しかし、リクードと連立を組む超国家主義政党「ユダヤの家」を率いるベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相はネタニヤフ氏の決定を歓迎し、司法制度改革を速やかに完了させるよう促した。