◎トランプ氏が刑事訴追されるか否かは不明だ。
ペンス（Mike Pence）前米副大統領を含む共和党幹部は19日、トランプ（Donald Trump）前大統領を逮捕・起訴することは反対派の政治的動機に基づくものであると主張した。
トランプ氏は18日、自身が21日に逮捕される見通しとSNSに投稿し、支持者に抗議するよう呼びかけた。
民主党幹部は「誰であろうと法の上に立つことはできない」と述べ、トランプ氏が分断を煽っていると非難した。
トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、ニューヨーク市マンハッタン区検事局からのリークに基づいた情報として、「来週火曜に逮捕される。抗議し、われわれの国を取り戻そう！」と投稿した。
2024年の大統領選で復活を目指すトランプ氏は複数の事件で告発されているが、今のところ逮捕も起訴もされておらず、不正行為を丸ごと否定している。
マンハッタン地検は2016年の大統領選でトランプ氏と不倫関係にあったとされるポルノスター「ストーミー・ダニエルズ（Stormy Daniels）さん」に対し、13万ドルの口止め料を支払ったという疑惑について捜査している。
トランプ氏が刑事訴追されるか否かは不明だ。
しかし、トランプ氏は起訴されても2024大統領選のキャンペーンを継続すると誓っている。
ペンス氏は連邦議会の共和党幹部と共に刑事訴追に反対する立場を表明した。
ペンス氏は19日に放送されたABCニュースのインタビューで、「マンハッタン地検は政治的動機に基づいてトランプ氏を捜査している」と語った。
またペンス氏は「ニューヨークで犯罪が多発している時に前大統領を起訴するという発想には驚かされる」と述べた。
トランプ氏は18日の声明で支持者に大規模デモを呼びかけたうえで、「地検はメディアに情報を漏洩した」と非難した。
ペンス氏はトランプ氏が抗議デモを呼びかけたことについて、「憲法は平和的な集会を保障している」と述べる一方、「いかなる行動も平和的かつ合法的に行わなければならない」と強調した。
しかし、SNSには2021年1月6日の議会襲撃を思い起こさせる投稿が多数寄せられている。あるツイッターユーザーは「ワシントンD.C.を取り戻す。集結せよ、戦士たちよ」と書き込み、ライフルの写真を添付した。
マッカーシー（Kevin McCarthy、共和党）下院議長はこの問題について、「検察のとんでもない権力の濫用だ」とツイートした。
またマッカーシー氏は「バイデン政権が公費を使って共和党の選挙活動を妨害している可能性がある」と主張し、調査を約束した。
民主党幹部は19日、トランプ氏がSNSを通じて分断を煽っていると非難した。
ウォーレン（Elizabeth Warren、民主党）上院議員はABCのインタビューで、「誰であろうと、たまたま大統領になった男であろうと、誰も法の上に立つことはできない」と述べ、「いかなる捜査も適切かつ正確かつ公平かつ公正に進める必要がある」とした。「公平な検察の捜査に抗議するなどあり得ません...」
ペロシ（Nancy Pelosi、民主党）前下院議長はウォーレン氏のコメントを支持し、「トランプの発言は無謀であり、SNSとメディアを通じて支持者を煽り、世論を分断しようとしている」とツイートした。「彼は法律違反、数多くの無礼な発言、暴力の扇動から逃れることはできません。我が国の法律は今、彼にどのような責任を負わせるか決めようとしているのです」
ダニエルズ事件はトランプ氏が2016年の選挙前に13万ドルを支払った後、当時の弁護士であるコーエン（Michael Cohen）氏がそれをどのように処理したかが争点となっている。
コーエン氏はそれを「弁護士費用」と報告したとされる。地検はこれが記録の改ざんに当たる可能性があるとし、捜査を続けている。
