◎西岸地区でイスラエル軍に今年殺害されたパレスチナ人は80人に達した。
パレスチナ自治政府は12日、ヨルダン川西岸地区に対するイスラエル軍の取り締まりでパレスチナ人武装勢力の戦闘員3人が死亡したと発表した。
パレスチナ保健省によると、射殺されたのは18歳~24歳の男性3人。
前与党ファタハの武装部門「アルアクサ殉教者旅団」は同日、テロリスト国家が非武装の若者3人を容赦なく撃ち殺したと主張した。
イスラエル軍は声明で、「武装勢力からM16ライフル3丁を押収し、自首した戦闘員1人を逮捕した」と明らかにした。
西岸地区でイスラエル軍に今年殺害されたパレスチナ人はこれで80人に達した。その半数以上が武装勢力の戦闘員とされる。東エルサレムと西岸地区で今年殺害されたイスラエル人は14人。
イスラエル軍は先週にも西岸地区のパレスチナ人居住区に攻め込み、武装勢力3人を殺害した。その数時間後には首都テルアビブの繁華街でパレスチナ人男性が銃を乱射、3人を負傷させ、その後射殺された。
西岸地区の暴力事件数はここ数年で最悪となっている。イスラエル軍は昨年春にイスラエル人が相次いで殺害されたことを受け、取り締まりを強化した。
西岸地区と東エルサレムで昨年殺害されたパレスチナ人は150人近くに達し、この20年で最も多くなった。今年はこれを大幅に上回る可能性がある。
軍は殺害したパレスチナ人のほとんどが武装勢力であったと発表している。しかし、抗議デモに参加した非武装の若者やジャーナリストも殺害されている。
イスラエルは取り締まり強化について、「武装勢力のネットワークを解体し、将来の攻撃を防ぐためのもの」と説明しているが、暴力事件は減るどころかむしろ増加している。