◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国の東部で活動するイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」は11日、キリスト教徒を35人以上殺害したと犯行声明を出した。
ISISを支持するスンニ派のアマーク(Aamaq)通信によると、ADFの戦闘員は東部・北キブ州郊外の集落を襲撃し、銃やナイフでクリスチャンを35人以上処刑、家屋を焼き払ったという。
アマーク通信は炎に包まれる家屋や処刑されたとみられる住民の写真などを公開している。
ADFは8日にも同州の複数の集落を襲撃し、多くの住民を殺害した。地元当局はこれまでに45人の死亡を確認したと報告している。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
一部の武装勢力は自分のコミュニティや土地を守るために武器を取った。ADFは主に北キブ州で活動してきたが、最近は隣のイトゥリ州でも攻勢を強めている。
ADFの暴力を食い止める努力はほとんど成果を上げていない。
国連の専門家パネルは昨年末に公表したレポートの中で、「コンゴとウガンダの軍隊は1年ほど前から共同作戦を行っているが、結果を出すことはできなかった」と述べている。
国連、欧米諸国、人権団体はADFが子供を含む多くの民間人を虐殺、拷問、拉致したと非難している。米政府は今月初め、ADFのリーダーであるムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金を提供すると発表した。
AP通信によると、ADFの襲撃を受けた集落はほぼ焼け落ちたという。生存者は遺体を集団墓地に集め、埋葬した。
APの取材に応じた住民は「政府の怠慢がテロリストの台頭を招いた」と批判した。「この地域では同じような事件が続いています。彼らはナタやナイフで村人を殺し、家を焼き、女性をレイプし、子供を誘拐するのです...」
国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は11日、事件を糾弾し、コンゴ当局に捜査を急ぐよう要請した。