◎この刑法改正は反逆行為によってベラルーシの国家安全保障に「回復不能な損害」を与えた政府当局者や軍人を死刑に処すとしている。
ベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は9日、反逆罪を犯した国家公務員と軍人を処刑する法案に署名した。
この刑法改正は反逆行為によってベラルーシの国家安全保障に「回復不能な損害」を与えた政府当局者や軍人を死刑に処すとしている。
ベラルーシは欧州で唯一、死刑制度を維持する国であり、殺人やテロで有罪判決を受けた者に適用してきた。
死刑は絞首刑ではなく、銃殺刑を採用している。
ルカシェンコ氏は30年近くベラルーシを鉄拳で支配し、反対意見を抑圧してきた。治安部隊は2020年8月の不正大統領選に抗議するデモ隊を叩きのめし、3万5000人以上を逮捕、数千人を殴打した。
首都ミンスクの地方裁判所は今週、リトアニアに亡命した野党指導者のチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏に対し、禁固15年の実刑判決を言い渡した。
地裁は先週にも同国で最も著名な人権擁護者であり、2022年にノーベル平和賞を受賞したビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏に禁固10年を宣告している。
ルカシェンコ氏が署名した法案はテロの宣伝、軍隊や準軍事部隊の信用失墜、国家機密関連の規則違反に対する処罰も可能とする。
この抑圧的な法律は先月26日に発生したミンスク郊外の空軍基地への攻撃を受け、導入された。当局は今週、主犯格とされるウクライナ人男性と共謀者20人以上を逮捕したと発表した。
アナリストはこの法律について、「ルカシェンコは欧米の経済制裁で厳しい国家運営を強いられており、反体制派を支持する市民が増えることを恐れ、抑圧的な法律を導入せざるを得なくなった」と指摘している。
「一般市民だけでなく、一部の政府関係者もルカシェンコの政策に不満を募らせています。政府は統制を維持するために抑圧を強めざるを得なくなっています,,,」