◎エルドアン政権は2021年、欧州評議会の国際人権条約であるイスタンブール条約から離脱し、女性の権利団体や欧米諸国から批判を浴びた。
2023年3月8日/トルコ、イスタンブールの通り、女性の権利拡充を求めるデモ(Getty Images)

トルコの最大都市イスタンブールで8日、「国際女性デー(International Women's Day)」を祝う集会が開かれ、数千人が参加した。

イスタンブール当局は市内での集会やデモ行進を禁じているが、多くの女性が差別的な政策を推進するエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に抗議し、女性の権利拡充とイスタンブール条約への復帰を訴えた。

AP通信などによると、機動隊はデモ隊に催涙ガス弾を撃ち込み、数十人を拘束したという。

デモ隊は先月発生したトルコ・シリア地震の犠牲者に黙とうを捧げ、歩行者天国イスティクラル通りの入り口付近に陣取った機動隊に道を開けるよう命じた。

国営アナトリア通信によると、デモの主催者は市当局と警察に集会を行うと届け出たものの、却下されたという。

機動隊はイスティクラル通りへの立ち入りを阻止し、少なくとも30人を拘束。催涙ガス弾を撃ち込み、デモ隊を追い払った。

イスタンブール警察は市内でのデモを禁じた理由について、「暴力やヘイトクライムを誘発し、テロ集団に悪用され、国家安全保障を脅かす恐れがある」と主張している。

周辺の駅も人の往来を制限するために封鎖された。

地元テレビ局の取材に応じた女性は「エルドアンは差別主義者だ」と語った。「私たちは平和的に声を上げているだけなのに、警察は暴力を振るいました。彼らは女性が力を持つことを恐れているのです」

デモに参加したある活動家グループは、「大地震でトルコとシリアの市民5万人以上が死亡し、数百万人が住まいを失った」と書かれた横断幕を掲げて行進した。

ある活動家が掲げた看板には「女性ではなく、違法物件を建てた業者を取り締まれ」と書かれていた。

デモに参加した女子学生はAP通信の取材に対し、「地震で被災した人々への連帯を示すために参加した」と語った。

女性の権利団体によると、昨年トルコで男性に殺害された女性は確認できているだけで328人にのぼったという。

エルドアン政権は2021年、欧州評議会の国際人権条約であるイスタンブール条約から離脱し、女性の権利団体や欧米諸国から批判を浴びた。

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