◎独裁者のルカシェンコ大統領は2020年8月、不正大統領選で得票率90%を獲得したと主張し、抗議デモを鉄の拳でねじ伏せた。
ベラルーシの地方裁判所は6日、リトアニアに亡命した野党指導者のチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏に対し、禁固15年の実刑判決を言い渡した。
チハノフスカヤ氏は政権転覆、過激派組織の創設・指導、暴力の扇動、国家安全保障を脅かした罪で起訴され、欠席裁判にかけられていた。
独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020年8月、不正大統領選で得票率90%を獲得したと主張し、抗議デモを鉄の拳でねじ伏せた。
チハノフスカヤ氏はルカシェンコ氏の対抗馬として出馬し、民主主義を求める有権者から多くの票を集めたと信じられている。
チハノウスカヤ氏は6日、AP通信の取材に対し、「私の弁護士は裁判所に一度も連絡せず、問い合わせにも一切応じていない」と説明した。
またチハノウスカヤ氏は「ベラルーシの司法はルカシェンコの支配下に置かれ、KGB(旧ソ連国家保安委員会)のような組織になってしまった」と語った。「ルカシェンコはすべての反政権派を根絶やしにしたいと考えています。2020年の選挙で自由を選んだ有権者が屈服せず、戦い続けていることに腹を立てているのです...」
チハノウスカヤ氏は有罪判決をベラルーシ当局による「復讐」と呼び、民主主義と自由のために戦い続けると誓った。
西側諸国は2020年の大統領選の結果を認めていないが、ルカシェンコ氏はプーチン(Vladimir Putin)露大統領の支持を受け、6期目をスタートさせ、抗議デモを厳しく取り締まった。
人権団体「ビアスナ人権センター」によると、デモ参加者3万5000人以上が逮捕され、数千人が残酷に殴打され、デモを支持した数十の独立系メディアやNGOが閉鎖を余儀なくされたという。
ルカシェンコ氏は野党が政権転覆を企てたと主張。チハノウスカヤ氏は選挙後、リトアニアへの亡命を余儀なくされた。
チハノウスカヤ氏と他の野党指導者4人は不在のままミンスクで裁判にかけられた。国営通信社ベルタが公開した法廷写真には空の被告人席が写っていた。
チハノウスカヤ氏は禁固刑と罰金刑、もうひとりの野党指導者は禁固18年を言い渡されている。